高校3年生にとっては,進路を決める重要な時期となってきました.
本学でも先日オープンキャンパスが開催され,高校生を中心に多くの方に来場いただきました.我々の展示ブースにも多くの方が進路について相談してくれましたが,「学科によって何が違うのか」という質問が多かったように感じます.
そこで今回は,学科を選ぶ際の私なりのポイントを書いていきたいと思います.
高校3年生になり,いよいよ大学への進学を考える際,何を基準に進路先を考えますか?
自身の偏差値で行けそうな大学,家からの距離,キャンパスの雰囲気など,人によって志望理由は様々あるかと思います.
では行きたい大学がなんとなく決まったとして,次に学部や学科はどのように決めますか?
例えば工学系に興味があったとして,○○大学(理)工学部までは選択できたとしても,最終的には○○学科まで選択しなければいけません.明治大学を例に挙げると,工学系を学ぶことができる「理工学部」の中に,8つもの学科があります(電気電子生命学科,機械工学科,機械情報工学科,建築学科,応用科学科,情報科学科,数学科,物理学科).それぞれの学科で学ぶことは違ってきますし,将来の進路先も学科によって大きく異なる可能性もあります.まだ将来も明確に決まっていないにも関わらず,高校生の段階から,この重要な「学科選択」をしなければいけないのです.
大学入学後の初めの頃は,教養科目と呼ばれる基礎的な学問を学ぶため,そこまで学科が異なるからといって,大きな差は感じないかもしれません.しかし,学年が上がるにつれて専門科目と呼ばれる,より学科のコアとなる学問を学ぶようになり,学科によって学ぶ科目は大きく異なってきます.さらに大学3年生(もしくは4年生)になると,これまでのような座って授業を聞き,試験を受けるような座学ではなく,研究活動が主な活動となってきます.研究室では,学科の中でもさらに細分化された専門分野を学びながら,まだ誰も解決できていない研究課題を解くことになります(卒業研究).
重要なことは,この研究室での研究活動は今後の進路やキャリアにも大きく影響するということです.
それぞれの学科の中に,さらに細分化された分野を専門とする教員がそれぞれの研究室を運営しています.学生さんは,大学3年生のタイミングで,どの研究室を志望するかを選択し,4年生ではほとんどの時間を研究室での研究活動に費やすことになります.研究室で学ぶことは,学科の中でもさらに細分化された専門分野のため,研究活動で得られた知識や経験は,将来のキャリア選択にも大きく影響する可能性があります.(もちろん研究室選択によって進路の幅が狭まるということはありませんが,研究活動で得られた知識や経験をもとに,将来の職業や分野を選択する方も多くおられます.)
そういった意味でも学科選択は本当に大事な選択となります.偏差値だけで決めてしまっては,自分のやりたかったことができなくなってしまう可能性さえあるのです.
次回のコラムでは,もう少し細かな学科による違いと私なりのアドバイスを述べたいと思います.
「大学入学から就職までの流れ」や「学びたいことと入学後のギャップを感じた時の行動」などの高校生,大学生向けのコラムを「理系キャリアとモノづくり産業特化の研究・学習サイト MONOWEB」にて記載していますので,興味のある方はそちらもご確認ください.
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