現在,高齢による筋力低下や腰痛,変形性膝関節症,片麻痺,骨折,脊髄損傷など様々な理由により日常生活が制限されている人たちがいます.私たちも,いつ同じような症状に悩まされることになるかわかりません.
このような人たちが活き活きとした生活を送るために,現在世界中で支援ロボットや装着型パワーアシストロボットなどが開発されています.今回は装着型のパワーアシストロボットに注目してみます.
パワーアシストロボットは,人間の力をサポートするためのロボティクス技術の一つです.日常生活や産業分野で,物を持ち上げる,運ぶ,作業するときに,人間の能力を強化する役割を果たし,例えば,腕や手,足に装着するタイプがあります.人間が力を加えると,パワーアシストロボットもそれに合わせて力を発揮し,重いものを持ち上げる際の負担を軽減してくれます.日常生活に制限がある人に対しては,彼らの身体の動きをサポートし,制限された能力を補完してくれます.例えば,歩行が難しい人に対しては,腰や足に装着することで,歩行を支援してくれます.
これらのロボットの多くはどのような仕組みかというと,装着者の「動かそうとする意志」をセンサ(タッチセンサや速度を計測するセンサ,筋肉に流れる微弱な電気信号を読み取るセンサなど様々あります)で読み取り,その「動かそうとする意志」からモータと呼ばれる電気の力を使って動きを生み出す装置を回転させ,その回転が膝や腕の曲げ伸ばしをアシストしてくれるという仕組みです.
私も様々な展示会に参加し,多くの装着型ロボットを体験しました.どのロボットもとても見た目がよく,アシストされていると実感することができると思います.ぜひ皆さんも一度展示会などに参加されてみてはいかがでしょうか.最近では,一般の人も参加し,体験できる展示会が多く開催されています.自分の目で見て,体験することで気づくことも多くあります.